利益相反

 この時期、医学部6年生は初期臨床研修のマッチング採用試験など就職活動をしている。

 病院によっては、大学教員の推薦状を求めるところもある。多くは都市部の有名研修病院である。

 毎年、何人かの学生に推薦状を頼まれる。

 今年も・・


 大学受験の推薦状であれば、高校の教員は何も問題なく書くことができるだろう。

 ところが、卒業生の地域定着を使命とされている現在の地方大学医学部の教員は、学生から求められること(推薦して欲しい)と大学や県、地域住民や医療機関から求められること(定着する医師を増やして欲しい)、という相反する2つの求めの間でジレンマを抱えることになる。

 しかし、学生の事情や気持ちも考えずに「ここに残れ」というのは、こちらのエゴでしかない。「書かない」と突き返すのは、尚更だ。

 囲い込みはよくない。送り出してあげれば、何かのはずみで戻って来てもらえるかもしれないし・・。

 
 また、数ある教員の中で「推薦状を書いて欲しい」と思われる教員であることは誇りでもある。学生の脳裏に浮かぶ教員でありたい。


 そのような複雑な気持ちを抱えながら引き受けることになる。
 

 引き受けたからには、心を込めて書く。

 結婚披露宴の司会のような白々しい内容は、推薦状には書きたくない。

 
 辛い気持ちを押さえながら、その学生との関わり、人柄について一生懸命、書く。身を削っている感覚。

 
 喩えるなら、片想いの同級生に、皆に人気の美人の友達を紹介して欲しい、と言われた女子高校生の気分。




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