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K上先生に借りて、「村上スキーム」という本を読んだ。「村上」とは破綻した夕張市立総合病院の経営を引き継ぎ、夕張医療センター院長村上智彦医師のことである。 当直などの時間を利用して、あっという間に読んだ。 インタビュアーに答える対話形式で進むので読みやすい内容である。 K上先生は、村上医師と面識があるのだが、私は面識は無い。先日のプライマリ・ケア学会で同じシンポジウムに出ていて、お見掛けはしたりしたが・・。まあ、某国営放送のETV特集で継続的で放送されているので、画面を通して一方的に知ってはいるのであるが、それは実像ではないかもしれないので、私の思い込みが入っているのかもしれないことはあらかじめ申し上げておく。 彼は、前々任地である北海道瀬棚町に町長の三顧の礼をもって迎え入れられた。町長もよく彼を理解した。彼は予防医学を取り入れて医療費を減らそうと努力し、実績もあげた。病院の受診の仕方についても、きちんと「もの申す医者」であったようである。住民からの信頼も厚かったようである。 その瀬棚で市町村合併があり、理解のあった町長は新自治体せたな町の町長選挙には出馬しなかった。新しい首長は、村上医師と考えを異にする。そのあたりのやりとりはETV特集でも放映されている。 結局、村上医師は一時、新潟の某病院に身を寄せるのであるが、故郷である北海道への思い、できあがっている医療に身を置くのではなく、あえて困難なミッションに挑戦する。それは、破綻した夕張市の市立総合病院を夕張医療センターという診療所にダウンサイズし、余った病床は老人保健施設に転換するというものである。ところが、老朽化した建物は光熱費が膨大にかかり、当初、財政負担を口約束した夕張市は、それを果たさず指定管理者(村上医師の設立した医療法人)の経営努力を求めるという困難に直面している。ETV特集でも村上医師や事務長が夕張市職員と激しい言葉のやりとりをしている所が放映されている。 くだんの本の中でも村上医師の夕張市批判、せたな町批判が鋭い言葉で記載されている。 本やテレビ放送で知る限り、彼の医療に関する考えには100%賛同している。ところが、彼の自治体に対する批判には眉をひそめてしまうのである。馴れ合いがいいとは思わないが、これだけ相手を貶めては地域医療のパートナーであるはずの公立医療機関の開設者を敵に廻している事は明らかである。夕張市のためにもうまく行ってほしいのであるが、そういう衝突から崩壊した地域医療の例は枚挙に暇が無いので危惧しているのである。 是々非々の関係は必要である。無関心から来る経営不振、不適切な医療は悪ですらある。だが、きちんと物を言えることと、喧嘩をすることは違うと私は考えている。私も若いときは(私は村上医師より年齢としては若いが医師としての経験は長い)、行政に腹立たしく思ったこともある。だが、それは行政側の思考ロジックを理解せずに自分の正義を述べていただけで、議論も噛みあわないのも当然である。迎合ではなく、お互い尊重しながら理解しあうことこそ重要なはずである。そうしていると、町長から保健医療福祉のすべてを統括する立場を与えてもらい、すべて私の言う通りにしてもらった。当然、それは一医師ではなく行政としての判断を求められていることであり、間違えば自分が責任をとる話でもあった。今でも町長には感謝している。 刀は腰に刺したまま抜かず、自分の主張を通す方が上策である。 村上医師が切れ味の鋭い自分の刀を振り回して自分が怪我をしてしまうことが心配である。 誤解の無いように言うが、今の地域医療の問題を明確に突いた良書である。一読をオススメする。 講座の蔵書で一冊買おうかとK高堂に注文したが、北海道限定のため取り寄せられないとか。amazonでは買えるそうである。 村上スキーム 地域医療再生の方程式 コア・アソシエイツ 村上 智彦 ユーザレビュー: 住民が地域を変えるわ ... 素晴らしい:地域医療 ... ウォンツとニーズ地方 ...Amazonアソシエイト by ウェブリブログ |
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バタバタした日
先週、一週間、ホントに大学に居なかった。視察、委嘱されている委員会、依頼による講演などなど・・ ...続きを見る |
働ケドモ働ケドモ我ガ暮ラシ楽ニナラズ 2008/11/25 23:16 |
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